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秘封ディストピア合同と『ユートピア』

「宇佐見だけが、教授の描いたホログラムをにらみつけていた。『調律』――この世界の基本的理論。」

AIの飛躍的発展で世界の問題が解決され、人々が充足して生きる世界。
そこで突如起きる異変、「原因」はどこにある?
SFモドキで秘封モドキな物語。

『調律のあるテラス』

京都秘封イベントにて頒布、
秘封ディストピア合同『戦場のカフェテラス』に収録――

戦場のカフェテラス

特設サイト






はい、ということでひっさびさに宣伝しました。
じゃあ、宣伝ここで終わっていいですか?
トップバッターなので否応にも読まれるでしょうし、うん。


……あのお話がトップバッターでいいのだろうか。



さて、参加にあたって読みました、トマス・モアの『ユートピア』。
仮にも「ディストピア合同」なので、それくらいは基礎知識として、ね。
今まで読んでなかったのが逆に恥ずかしいわ。

ご存知の通り、これはイギリスに資本主義が芽生え始めた時代の、
理想郷「ユートピア国」のお話です。
そこはイギリスからさらに海を隔てた島ですが、
資源が豊富にあり、戦争も滅多に起きず、
市民が誰もに一定の尊敬を持つ、そんな理性的で穏やかな国です。

イギリスで起こっている争いなど、ユートピアでは無関係。
争いが起きても小さい内にことごとく潰されて、
あるいは生まれる前に論理的かつ理性的に排除されます。
貧富の格差もない、長時間労働もない美しい世界です。

私も本を読んでて「あっ、なるほどな」と思うことも多かった。
例えば、金(きん)を持つ人は、普通は富裕層ですが、
ユートピアでは「役に立たないものを持つイミフな人」扱いです。
なぜなら、貨幣というものが存在しないから。
そうなると、金は生産手段ではなく、ただの光る石です。
ユートピア人は金を持つ人を軽蔑さえします。

そんな素晴らしい世界に見えるユートピアですが、
私はそこに大きな落とし穴があるように見えました。
落とし穴というか、とある土台の見落とし。

それは「ユートピアが島国であり、人々の移動手段が乏しかった」という
前提条件ではないでしょうか。

島国であるから、色々な人の価値観は流入しづらい。
産業革命前の時代ですから、そもそも人が多くやってこない。
そうなると、島の中には同一の価値観が形成されていきます。
あとから生まれる人間にもその価値観がすり込まれ、価値観は強化されます。
そういう「多数」の人たちが金を軽蔑するから、
貨幣制度が成り立たない世界が維持できているように感じました。

しかし、です。ここで少し想像します。
外から多くの人が流れ込むような事態になったら、
その価値観は維持できるのでしょうか?

ヒントとなる出来事を、私たちはよく知っています。
鎖国していた日本に来襲した黒船です。
誰も知らないパワーで鎖国の門をこじ開け、
その後の日本を大きく変えてしまった。
同じことがユートピアで起こらないとも限りません。

そして、もうひとつ。
単一の価値観であることは都合がいいことです。
でも、それは豊かな世界なのでしょうか?
生きやすい世界は楽な世界です。
でも、本能的に何かがおかしいなと感じるのも確か。

そんな、理性的ながらも危うさを秘めた『ユートピア』。
今でも通じる普遍的な矛盾がそこに秘められているのではないでしょうか。

そして、私はそんなことを感じながら『調律のあるテラス』を書いたのでした。
ぜひ、秘封モドキなSFモドキの世界をお楽しみください。
最後にURLを貼って、宣伝を終わります!

秘封ディストピア合同『戦場のカフェテラス』

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プロフィール

蛮天丸

Author:蛮天丸
物書き。
東方プロジェクトの二次創作小説を中心に、
好きなものを好きなように書いています。
最近は秘封がお好き。
秘封処女膜合同の主犯(siroito.web.fc2.com/maidenhead/)だけど、処女じゃないよ!
アイコンは一条さんからお借りしました。

ジャンル

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