スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

徒然読書録 『Harry Plotter』 ~愛のあるパロディ

新しいスマホを買うと、ついどうでもいい無料アプリを入れますか?
新しいKindleを買うと、つい無料の本を突っ込みますね?
だって「タダだもん」。

私もそんな人で、よくわからずにダウンロードしてた、
『Harry Plotter and the Secret of Serpants』。
全編英語で読むのを長い間避けていました。
しかし、最近Kindleのデータを見返したときに、
「なんだっけこれ」と勇気を出して読んでみたのです。

Amazonのページはこちらから





面白かったです。素直に。
私もハリーポッター7部作完読しているし、
初期三部作を何度も読み直すくらいファンです。
そんな私から言うならば、
この本は愛が詰まった良いパロディ本でした。

まず、この物語は設定と構成の妙が際立っています。
主人公は魔法とは縁もゆかりもないアメリカ人、
オースティン・ウィンターズ。
親の仕事の都合で異国のイギリスに引っ越したら、
ドジなフクロウが突然よくわからない学校の入学案内を持ってきた!
そんなところから物語が始まります。

学費が「タダだもん」と入ってみたら、
おかしな服を着たひとたちが変なことをしゃべり、
変なことをしてばかり。
最初、オースティンは「これはよくできたCGだなあ」と
信じていなかったのですが、
スメイプ先生に魔法を使われて初めて気づくのです。
自分がいるのは本当に魔法の世界なんだ……。

さらに悪い噂がつきまとう「スリッパリン」にだけは
入りたくなかったのに、
あの組み分け帽子に「スリッパリン!」と叫ばれて、
オースティンはショックのあまり気絶します。

面白いのは、オースティンが持つ魔法への不信感が、
意外とすんなり私たちの感覚になじむことです。
そして、原作では嫌なやつばかりだったスリザリン側から、
グリフィンドール側を眺めることになります。
ファンであればこの設定に引き込まれると思います。

そして、原作の主人公三人のうち、ハーマイオニーが
魔法初心者オースティンへの補習の先生として
一番深く関わることになります。
彼女を通じて、闇の帝王を打ち倒した「運命の子」のハリーや
「その付き人」ロンの姿も描かれています。
(嫌な書き方ですが、オースティンにはそう見えています)
そして、スリッパリンというだけで
彼は学校での疎外感を味わうことになります。

そうそう、パロディ本なので原作の固有名詞が
少しずつ変えられているのですが、この変え方も絶妙です。

・「スリザリン」→「スリッパリン」
・「グリフィンドール」→「グリフィンボア」(「退屈」)
・「ハーマイオニー・グレンジャー」
  →「ハーマイオニー・デンジャー」(「危ない」!)
・「ダンブルドア」→「ダンブルスノア」(「いびき」)

ちょっとずつ嫌な意味を持つ単語にすり替えています。

しかし、的確にオースティンを指導するハーマイオニーに対し、
オースティンは少しずつ彼女やその周囲への認識を改めていきます。
また、オースティンの立場からも「秘密の部屋事件」が描かれ、
私たちが知る原作の姿へ少しずつ近づいていきます。

最後に事件が無事に解決したとき、
(実はオースティンがいなければ大変なことになっていました)
「たとえスリザリンでも、僕たちはホグワーツの生徒なんだ」と
オースティンは自分の立場を受け入れるのです。
このとき、よく知る原作の姿がはっきりと見えました。
これが、私には気持ちよかった。

それでも、ハリーとオースティンが交わる場面はほぼ皆無です。
ハリーの台詞は実は一つもなく、
彼に対する印象だけはニュートラルなままで終わっています。
そこは読者の想像に委ねられているのかもしれません。

そんなよくできたパロディ本ではありますが、
やはりイマジネーション豊かな原作があってこそ、でしょう。
クィディッチもほとんど描かれず、
ホグズミードなど、校舎の外の世界も名前だけの登場です。
原作以上の世界観描写はなく、原作を知らない人向けではありません。
そこは作者も割り切ったのでしょう。

しかし、原作ファンで、それなりに英語が読めるなら、
私はこの本をオススメしたいと思います。
英語もそんなに難しくないですし、なにより「タダだもん」。

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

蛮天丸

Author:蛮天丸
物書き。
東方プロジェクトの二次創作小説を中心に、
好きなものを好きなように書いています。
最近は秘封がお好き。
秘封処女膜合同の主犯(siroito.web.fc2.com/maidenhead/)だけど、処女じゃないよ!
アイコンは一条さんからお借りしました。

ジャンル

東方 読書録 映画録 漫画録 ゲーム録 アニメ録 ドラマ録 艦これ 

RSSリンクの表示
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。