スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

徒然読書録  『永遠の0』 ~私の知らない戦いと人の死

集団的自衛権だとかISだとか、
テレビで戦争のことが報じられることが多くなったと感じています。
また、今年は戦後70年で、テレビでもよく特番をやっていますね。

そんな時勢にたまたま『永遠の0』を読んで、
思ったことを徒然書いていきます。





思えば、太平洋戦争は色々話を聞いていた割に、
私からはずっと遠いものでした。

「戦争」を最初に感じたのは、私の祖母の兄のことでした。
祖母の家には仏壇があり、
そこに私の知らない青年の白黒写真が置いてあります。
彼は誰なのか、私が三歳の時に祖母に尋ねたことがあります。
「彼はアメリカとの戦争で死んだの。
 飛行機で爆撃をしたときに、米兵に撃ち落とされたんだよ」
でも、私にとってまるで想像ができない世界でした。
アメリカという国の名前もわかっていなかった頃ですから。
ただ、漫然と「死んじゃうって怖い、その人も怖かったのかな」
と思ったものでした。

学校で戦争について学ぶため、
近所のおじいちゃんに体験談を伺ったこともありました。
畳のある部屋で、つるつるにはげているおじいちゃんに
一時間くらいのインタビューをして、作文も書いたはずです。
でも、何を話していたのか、今となっては何も覚えていません。
ただ、先生たちからまとめとして、
「戦争はいけない」と言われたことだけ覚えています。
そんなものかと、なんとなく思ってその授業は終わりました。

それからも、教科書で歴史を学び、『火垂るの墓』を観て、
テレビ番組でそういう特集も見て、イラク戦争が始まって――。
戦争に触れる機会はあったのに、私の中のイメージは
「戦争はいけないもの」という漠然としたものでした。
むしろ、小さい頃に抱いた怖ささえ薄れていたかもしれません。

そうして、いつの間にか戦後70年になっていました。
そんなときに『永遠の0』を読んで、私の戦争観が揺さぶられました。

『永遠の0』はとても有名な小説で、映画化もされヒットを記録しています。
零戦で特攻し亡くなった航空兵「宮部久蔵」の生涯を追って、
彼の孫が「あの戦争」の生き残りを訪ね、
宮部久蔵の真実を知る、というストーリー。

この本の面白さは「宮部久蔵」という謎の人物を解き明かしていく構造もですが、
生還者たちが「あの戦争」を生々しく、時に力強く語り、
時に戦友を偲んで涙するところにもあります。

たとえば零戦で戦地まで赴くときの描写。
何時間もハンドルを握ったまま、千キロ単位を飛び続ける。
行くだけで精神を消耗し、戦いで生き残っても、
また同じ距離を飛び続け拠点に戻らなければいけない。
いかに零戦の航空兵が過酷な戦いをしていたのか、と驚くばかりです。
そうした描写がフィクションでありながら戦争をより身近に、
感覚的に過酷なものとして、肌で感じられるようでした。

よく考えれば、今まで見知った戦争は、
全部内地で空襲を受けた人たちばかりでした。
本当に戦地に行って、彼らがどんな戦いをしていたのか、
それを生々しく聞いたことはなかったのです。
だから、この本の描写は新鮮だったし、
本当の戦闘がどんなものか、欠片でも見ることができたのです。

インターネットで見てみると、多くの人が同じ感想を抱いているようでした。
「戦争を知らない世代だけれど、もっときちんと戦争について知りたい」と、
多くの人にそう思わせる作品なんだと、あらためて驚きました。
戦争の新しい側面に衝撃を受けたのかもしれない。
私自身もそう思った内の一人になっています。

そうして、あらためて私の祖母の兄のことも、もっと知りたくなりました。
今年の8月15日は去年とは違う気持ちで迎えられたらいいなと思います。

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

蛮天丸

Author:蛮天丸
物書き。
東方プロジェクトの二次創作小説を中心に、
好きなものを好きなように書いています。
最近は秘封がお好き。
秘封処女膜合同の主犯(siroito.web.fc2.com/maidenhead/)だけど、処女じゃないよ!
アイコンは一条さんからお借りしました。

ジャンル

東方 読書録 映画録 漫画録 ゲーム録 アニメ録 ドラマ録 艦これ 

RSSリンクの表示
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。