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半沢直樹なドラマでした

第一回の支店長の表彰式のシーンしか見ていなかった私が、
半沢直樹の最終回を「すごく『半沢直樹』らしい」と語ってしまいます。







このドラマは今流行の文言通り、「倍返し」を終始貫き通していました。
つまり、資金繰りに苦しんだ主人公の父を見捨てた銀行への復讐ということです。

その徹底ぶりたるや、半沢直樹が取締役会で大和田常務に土下座を迫る際、
「(土下座を)やれぇぇぇえ! 大和田ぁぁああ!」と叫んでしまうほどの情熱っぷり。
頭取も後日注意することしかできないくらい、ドン引きです。(というか、気圧されてました)

その情熱もさることながら、自分が面白いなあ、と思ったのは、
半沢直樹の心中が一度も語られることがなかったということでした。
それはこの復讐の物語という形にぴったりハマっていたのではないかな、と思います。
最後に出向させられるところまで含めて。


映像媒体は人物のモノローグにはあまり向いていません。
できないことはないのですが、映像媒体は常に時間が進んでいます。
小説や漫画とは異なり、物語の時間が常に進んでいるままに長いモノローグをすると、
物語の進行に違和感が出てしまいます。

※ちなみにそれを逆手にとったのが「モテキ」というドラマ。
 モノローグ中に時間も行動も進行することで、
 主人公の心情がリアルタイムで移り変わる様をうまく表現しているのでした。

このドラマは(おそらく)半沢直樹のモノローグは一回もありません。
それは映像媒体の特性に合わせたものであると同時に、
半沢直樹という人物を描写するのにはぴったりの方法だったのでしょう。

劇中で彼の仲間が「おまえは大和田とは違う。まわりを救ってきた」と彼を元気づけるシーンがあります。
確かに、敵対する大和田とは違い、半沢直樹が主人公たる資格を持つとを意味する台詞ですが、
同時に半沢直樹という人物の根本を探る限界値を、私たちに突きつけているようにも思えます。
つまり、私たちは「彼の仲間の言葉から半沢直樹という人物を推測するしかない」ということです。

劇中でも「証拠はあるのか!」という台詞が何度も飛び交いますが、まさにその状況。
半沢直樹自身がまわりを救いたいと思った、という証拠はどこにもありません。
彼が口で何と言おうと、それはまわりを欺くための言葉かもしれない。
私たちが確実に知っていること――
それは半沢直樹が父の復讐で動いている、その一点のみです。


彼のこの性質が、一見釈然としない彼の出向を理由づけると思います。

私たちは半沢直樹の「近く」の視点から、彼という人物を観測しているため、
「半沢直樹とは、仲間を大事にし、父の復讐から腐った銀行のあり方を変えようとした人物」と
ある種のミスリードをされてきました。(特に仲間の台詞のせいで)

しかし、出向を決めたのは頭取です。
彼の視点では、取締役会の半沢直樹の行動を見てしまったこともあり、
「半沢直樹とは、父の復讐のために銀行を変えようとした人物」と見ているのでしょう。
すべてが復讐。自分を貶めたやつには必ず、「倍返しだ!」

この見方もあながち間違っていないでしょう。
一度は裏切って後で許された近藤という仲間が、
許される前に剣道で(ありえないほど)滅多打ちにされたのも
ひとつの証左かもしれません。

頭取としては、すべてが終わったあと仲間が語ったように、
第二、第三の大和田が出ないよう、大和田を自分の手の内に取り込みたかった。
しかし、それでは復讐を望んだ半沢直樹に対する裏切り(のようなもの)であり、
少なからず彼を乏しめている。
ついでに、彼が言う「黒を白にしている」ということもある。

自分を追い落とそうとした大和田を断罪した半沢直樹は、
頭取にとっては懐刀ではなく、いつ自分に食いかかるかもわからない、
諸刃の剣になってしまったのです。大和田を取り込んだ時点で。

だから、彼を出向させた。
出向させたことで、当然倍返しの可能性もあるわけですが、
大和田と違って、頭取には明確な不正行為もなく、
敵に回しても討ち取られるリスクは少ない。

これが、半沢直樹が出向させられる理由ではないかと思います。
勝手な推測に過ぎませんが。


もし、半沢直樹のモノローグがあった場合、
彼の出向は「ありえない結末」として、自分の中では釈然としなかったでしょう。
けれど、一貫してモノローグがなかったことで、
彼が「復讐のみが動機としている」可能性が残っていたので、
あの終わり方に妙なリアリティを感じるのでした。

このドラマ、思うところは人それぞれなのでしょうが、
自分としては「復讐の物語」として一貫したのがすごいなあ、と思うのでした。
あの終わり方なら、続編を作ることもできますしね。

「正しいことばかりでは生きていけない」という見方もなくはないですが、
自分はそっちよりも物語の一貫性を重視した終わり方だと見ています。


終わり方ばかりについて触れていましたが、それ以外でも面白い点は多々ありました。
特に土下座をするシーン。香川さんすごすぎ。笑っちゃったけど。
なんだかんだで熱いドラマだったと思います。

途中全然見てないけど、あらためてもう一度見ようかな。

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プロフィール

蛮天丸

Author:蛮天丸
物書き。
東方プロジェクトの二次創作小説を中心に、
好きなものを好きなように書いています。
最近は秘封がお好き。
秘封処女膜合同の主犯(siroito.web.fc2.com/maidenhead/)だけど、処女じゃないよ!
アイコンは一条さんからお借りしました。

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